
業界団体(研究所)の設立背景について
その他2026年7月27日 公開

シエンプレが「一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所」を設立し、運営されている背景には、どのような意図や目的があるのでしょうか。
単に一企業としてサービスを提供するだけでなく、あえて業界団体という枠組みを作られたのには、今のネット社会や市場をどのように適正化していきたいという狙いがあるのか教えてください。
ご質問いただきありがとうございます。
弊社では2020年、社内のシンクタンク機関として「デジタル・クライシス総合研究所」を設立いたしました。
以来、ネット上の炎上事案の調査や、それらが企業経営に及ぼす影響についての研究を続けております。
■デジタル・クライシス総合研究所
私たちがこの研究所を設立した最大の理由は、ネット上の炎上や風評被害を単なる「個別のトラブル」として片付けるのではなく、社会全体で向き合うべき「構造的な課題」であると定義し直したかったからです。
今やSNS上の炎上は、一企業の不祥事という枠を超え、デマの拡散や誹謗中傷、さらにはフェイクニュースによる世論の歪曲など、私たちの社会生活そのものを脅かす「デジタル・クライシス」へと変質しています。
こうした複雑な課題は、民間のワンサービスだけで解決できるものではありません。学術的な研究や法整備の検討、そして正しい知識の普及といった、より公的で中立的な視点が必要だと確信したことが、活動の原点となりました。
私たちが目指している市場の適正化とは、いわば「情報の健全なインフラ化」です。
現在の市場には、炎上の恐怖を過度に煽る業者や、根拠のない対策を謳う手法も散見されます。
私たちは研究所を通じて、過去数千件に及ぶ炎上事例を科学的に分析し、「なぜ炎上は起きるのか」「どうすれば被害を最小化できるのか」という知見をオープンに発信し続けています。
これにより、企業が「運」に左右されることなく、客観的な根拠に基づいた守りを固められる、フェアな市場環境を築きたいと考えております。
また、企業だけではなく、一般のSNS利用者も含めた一人ひとりのリテラシーを高めることで、デマや批判の連鎖への加担を抑止することも私たちの重要な使命です。
ネット社会のルールは、まだ未完成な部分が多く残されています。
私たちはこの研究所をプラットフォームとして、産官学が連携できる場を提供し、インターネットが「正しく恐れられ、かつ有効に活用される場所」になるための土台を築いていく所存です。
それこそが、私たちが研究所という形をとってまで実現したい、社会に対する責任の果たし方であると考えています。