サカイキャニング株式会社
・清涼飲料水製造業 ・乳製品製造業 ・かん詰め又はビン詰め食品製造業 ・菓子製造業 ・酒類製造業
和歌山県橋本市高野口町小田530

サカイキャニング株式会社は、和歌山県に本社を構える清涼飲料の受託製造会社です。
大手メーカーやプライベートブランドの製品製造・開発を手がける老舗で、創業から110年以上の歴史を重ねています。
飲料業界では国内有数の受託製造会社として、独立独歩の経営を維持しています。
このことが、誰もが腰を据えて働ける環境を生み出しています。
本記事では、サカイキャニングの代表取締役社長である阪井社長と、経営企画室長を務める中野様にお話を伺いました。
事業の安定性や、長く安心して働ける職場環境、次の100年を見据えた会社づくりなどについてお聞きしました。
インタビュー対象者

阪井克行(さかい かつゆき)
サカイキャニング株式会社
代表取締役社長

中野雅雄(なかの まさお)
サカイキャニング株式会社
経営企画室長
中野様:1989年に南都銀行へ入行しました。
4店舗で支店長を務めた後、五条・和歌山エリアの統括長を担当しました。
55歳を迎えたタイミングでサカイキャニングに出向し、現在も籍は銀行に置いています。
経営企画室は現場の最前線ではありませんが、会社全体を支える基盤となる部署です。
社長の右腕として事業環境の変化に対応できるよう、さまざまな施策を考えています。
社内では、総務にかかわる仕事も受け持っています。
従業員の皆さんが能力を発揮できる労務制度など、職場環境の整備を考えており、採用などにも携わっています。
阪井社長:おっしゃる通り、飲料は生命の維持に欠かせません。
水道水はありますが、水を含めて飲み物は買うのが当たり前の時代です。
飲料製造は生活インフラに近い事業になりつつあると考えています。
日本は災害大国ですが、水道インフラは管の老朽化で弱体化しています。
そのため、市販の飲料には、万一の際の代替品となる役割が期待されています。
実際に、災害時は飲料の需要が一気に高まります。
非常時も当たり前に手に入れられる物資として、飲料製造は重要な役割を担っています。
飲料業界は景気に左右されにくいことも、安定性につながっています。
景気が良くなっても売上が大きく伸びるわけではありません。
その半面、不景気でも一定の需要があります。
中野様:飲料製造は、やはり生活インフラに近いと思います。
銀行でいろいろな業種を見てきましたが、継続的に消費される商材を扱う当社の事業は、景気の影響を受けにくいため、非常に安定性が高いと評価しています。
さらに、当社は受託製造という形で、多くの取引先と関係を築いています。
収益源を分散できている点も強みです。
金融機関が企業を見る際は、収益の安全性、資金繰り、事業継続性の3点を重視します。
これらの観点においても、当社は非常にバランスが取れています。
一方で、サカイキャニングは安定に甘んじることなく、変化にも対応し続けています。
AI関連の導入など最先端の取り組みを進めていることで、企業の強みがさらに増しています。

中野様:決算内容を見ても、財務面はしっかりしています。
事業の安全性と成長性を兼ね備えた企業だと評価しています。
生活インフラに近い需要の安定性に加え、取引先が数百社あることも強みです。
飲料業界は、相応の設備を持つ大手でなければ参入しにくいという傾向があります。
その点でも、サカイキャニングは継続的な成長を見込める企業だと断言できます。
阪井社長:大前提として、常に成長し続けなくてはならないとは思っていません。
その時々のフェーズに合わせて、現状維持を続けても良いという考えです。
昨今はインフレが顕著なので、成長戦略を取っています。
しかし、時代の流れに合わせて成長できれば構わないというスタンスです。
このようなことを言えるのは、非上場のオーナー企業だからこそです。
無理に事業を伸ばす必要がないというのは、大きな強みです。
サカイキャニングは業歴が長く、地域団体を通じて行政の情報に接する機会も多くあります。
国や県の方針を敏感に捉え、その方針に合わせて自社の施策を構築・推進できることも強みだと思います。
阪井社長:確かに、不思議に思われるかもしれませんね。
私は入社して31年目になりますが、売上高目標を立てたのは2024年が初めてでした。
それ以前は数字にこだわりがありませんでした。
しかし、人口減少とインフレが重なる中、一定の事業規模がなければ会社の維持が難しくなると判断しました。
そこで、2030年までに売上高100億円という目標を立てました。
人口減少で労働力が減ると、税収とインフラコストのバランスが崩れます。
それは企業も一緒です。
働く人の数が同じであれば、より事業効率の高い企業に人が残りやすくなるのは明白です。
無理な成長は目指しませんが、効率の高い企業であり続けることは確定した目標です。

中野様:福利厚生として、ここ4年間で確定拠出年金、確定給付年金、企業年金を追加しました。
いずれも長く働いてもらうことを前提とした制度です。
確定拠出年金の場合、会社が設定した掛け金に、各自の拠出額を上乗せできます。
自身の資産形成について、自ら考えて運用できる環境を整えました。
阪井社長:従業員は20年前に中途入社したベテランが多い状況です。
将来、定年退職のタイミングが重なることになります。
会社の経営状態に関わらず、苦しい時期を支えてくれたメンバーに、老後の不安を抱かせたくないと考えたのが始まりでした。
準備の段階で、確定拠出年金に関する情報が各方面から入ってきました。
金融機関から話を聞いたり、自分で勉強したりもしました。
その結果、従業員にも会社にもメリットがあることが分かりました。
もともと新卒から定年まで在職してもらいたいというスタンスだったので、長く働くほどメリットが増す制度は当社の考えにマッチしました。
実際に導入してみると、意外と若い従業員からも注目されています。
中野様:メリットを感じている従業員は、総務への質問も活発です。
拠出額の積み増しにも意欲的です。
会社としても勉強会を定期的に開催しています。
制度を積極的に運用するメンバーを増やしていく考えです。
今の時代、少しずつでも投資を増やすことは損ではありません。
長期運用で投資リスクを分散できるメリットへの理解を、さらに広めていきたいと思っています。
中野様:やはり「社会に欠かせない飲料を作っている」という誇りは皆が持っています。
私たちは消費者の口に入る製品を作っています。
そのため、「品質管理のミスは許されない」という責任感が強く、それが誇りにつながっているのだと思います。
阪井社長:誇りを感じてもらうには、家族や周囲に「良い会社に勤めているね」と言ってもらえることが欠かせません。
会社としては、地域でどうイメージされるかを念頭に置いています。
ネーミングライツ契約や地元イベントへの協賛、学校運営への参加もその一環です。
こうした活動の背景には、地域への思いがあります。
社会貢献の姿勢は企業イメージに影響するため、真剣に取り組んでいます。
中野様:変化の例は製品です。
かつては缶コーヒーの自社製品をヒットさせ、今はペットボトル飲料へと移行しています。
大量生産に対応しつつ、小ロットの受注もおろそかにしていません。
地元の農産物を活かした展開も、進化の一つです。
設備の高度化や省力化を計画しており、デジタル化に必要な人材も育てています。
安心な品質を守りながら、先を見据えた取り組みを推進しているところが強みです。
阪井社長:私も同感で、変わらず大切にしているのは品質です。
ただし、品質の定義は時代によって変わります。
変化をくみ取り、的確に対応することが重要です。
品質は「おいしさ」だけではありません。
かつてはボトルの凹みはクレーム対象でしたが、今は環境保全のためボトルの材質を薄くすることが価値となっています。
こうした価値観の変化に適応していくことが、品質を守ることにつながります。
おいしさの基準も、今の若い世代に合わせて薄味で飲みやすいものが主流になっています。
阪井社長:最大の情報源は、顧客である小売店やコンビニです。
取引先とのディスカッションや、試作品のモニタリング結果を参考にしています。
来店客によるモニタリング結果をフィードバックしていただき、製品開発に役立てています。
予断を持たずに結果を受け止めるようにしています。

中野様:安定しながらも、一人ひとりが新しい発想で挑戦できる会社づくりです。
いろいろな顧客ニーズに応え、新しい価値を提供し続けたいと思います。
阪井社長:近未来の姿を想定して、ビジョンを描けるようにしたいです。
デジタル技術を活用して自動化を進め、従業員は人間にしかできない高度な仕事に集中できる環境をつくります。
全員が同じビジョンの実現に向かっていけるかがポイントです。
時代に合わせて、事業の体制や仕組みを柔軟に切り替えられる企業であり続けたいと考えています。
中野様:当社は飲料製造という、社会に欠かせない事業で安定した基盤を築いてきました。
重視しているのは、従業員が安心して長く働ける環境です。
長期的な実績の積み上げを評価しています。
阪井社長:サカイキャニングは創業以来、変わらず終身雇用制度を大切にしてきました。
それは、社員が安心して長く働けることが最良だと考えているからで、年金制度なども充実させています。
飲料製造はニッチな分野ですが、その道のプロになれる環境があります。
世の中に欠かせない製品を作っているという自負を、共に分かち合える仲間が増えればうれしいです。
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