テンプレ付き!選考に通過する職務経歴書の正しい書き方と押さえておきたいポイント
職務経歴書と履歴書の2つは、面接への選考の結果を左右するツールです。
履歴書は誰が書いてもあまり大きな差はありませんが、職務経歴書は出来栄えによって書類選考通過に寄与する度合いが高い書類といえます。
この記事では、選考に通過する職務経歴書の書き方や、押さえるべきポイントをご紹介します。
目次
職務経歴書とは?役割や履歴書との違い
まず職務経歴書の役割や、履歴書との違いは何かを確認しましょう。
「職務経歴書」と「履歴書」の違いは、「職務経歴書」は業務経験の詳細とスキルを確認する書類であるのに対し、「履歴書」は氏名・住所・学歴や基本的な職歴など、応募者の基本的な情報などを確認するものです。
職務経歴書は、職務に関してのより詳細な選考材料といえるでしょう。
職務経歴書で採用担当者が見ているポイント
ご参考までに「このような職務経歴書であれば選考に通したくなる」という企業の人事担当者の意見をご紹介しましょう。
・しっかり埋まっていること。空欄が多かったり文章量が少なすぎたりする場合は、志望動機が弱いと感じてしまう。
・読みやすさに配慮があること。専門用語の補足説明や、業務内容の“いつ、どこで、何を”が整理されている。
・どの様な仕事を行ってきたか、実績を数字で表すなど、具体性のあるもの。
同じキャリアでも、「読む方のことを考えて書かれたかどうか」が結果に差が出るポイントとなります。
職務経歴書のフォーマットについて
以上を踏まえて、職務経歴書のフォーマットを見てみましょう。
編年体形式の職務経歴書とは
編年体形式は、職歴を時系列に沿って記載する形式で、一番古い経歴を上から順番に記入します。
職歴が多くない場合や初志をアピ―ルしたい場合に向きますが、編年体の形式の中でも特に直近の業務をしっかりアピールしたい場合は、職歴の前段に「職務の要約」を付けて工夫しましょう。
逆編年体形式の職務経歴書とは
逆編年体形式は、現在から過去にさかのぼり、一番新しい経歴を上から記入します。
職務の習熟度や直近の実績を伝えやすく、最初に掴みを得るのに適しています。
逆編年体形式の見本
キャリア形式の職務経歴書とは
携わった業務やプロジェクトごとに記載する方式で、記載の順番よりアピール度の高い業務を上位に記載します。
キャリア形式は専門性の高い職種や、同業種で転職回数が多い場合に向き、プロジェクト単位の採用が多い欧米では主流の書き方です。
キャリア形式の見本
職務経歴書の書き方
職務経歴書を書く前に、最初に準備をすることがあります。
職務経歴書を書くための準備
書き始める前に、自己のキャリアの詳細がわかる資料を準備し、それをもとに「今まで何をして」「今の自分にどうつながったか」「何ができるか」という視点でキャリアの確認をし、列挙しましょう。
職務経歴書の各項目の書き方
職務経歴書の構成は、主に4つの項目から成ります。
項目ごとの記入のしかたの基本は、下記の通りです。
職務の要約 | 職歴を要約して100字程度にまとめます。何を志向し、どのような分野で働いたかを書きます。 |
職務経歴 | 業種・職種・期間・業務内容・実績や経験を書きます。会社の規模や実績などは具体的な数字をあげましょう |
資格・スキル | 応募する企業の業務に関連するものは必ず記載し、関連性がない(または薄い)場合も一応記入しましょう。記載する資格やスキルがない場合は「特になし」と記入します。「◯◯の資格取得見込み(◯年◯月)」と書くのも良いでしょう。 |
自己PR | 文章または箇条書きで記載し、仕事人としての強みと採用された場合に貢献できることを簡潔に記載します。300字以内を目安にします。 |
以下、それぞれの項目のテンプレート(文例)をご覧ください。
【職務の要約】:文例
新卒入社から3年間、不動産会社で営業事務職として勤務、その後4年間は不動産営業職として勤務。
アシストとフロントの双方を経験したことで、営業という職務を立体的に会得しています。
営業事務では3種の業務改善提案により、セクションの月間延べ残業時間を60時間削減しました。営業では新規顧客6件の開拓により、4年間で約6千万円の売上をあげました。
【職務経歴】:文例
2019年3月 ~現在 | 〇〇不動産株式会社 事業内容:投資サポート等 資本金:2億円 |
法人担当営業部主任 【業務内容】不動産投資(賃貸経営)のコンサルタント・営業 【顧客獲得数】個人投資家6件 法人2件 【取り組み】リモートセミナー実施・定期コンサルタントサービス企画 |
【資格・スキル】:文例
資格・スキル
2009年:宅地建物取引士
2016年:ファイナンシャルプランナー2級
2020年:賃貸不動産経営管理士
・アセットマネージメントコンサルティング研修修了
・営業マン育成コーチング研修修了
【自己PR】:文例
・端的でわかりやすいプレゼンスキル=投資家のお客様に高い評価をいただきました。
・目標を達成する上での計画力=チーム全体の円滑な動きを作る為にコミュニケーションを意識しつつ、目標達成に励みました。
職務経歴書をつくる際のポイント
職務経歴書を作る際に、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
A4サイズで1~2枚にまとめる
採用担当者の方は、限られた時間で書類を読んで検討しなければなりません。
たくさん書きたいことがあっても、A4サイズの用紙で1枚から2枚、多くとも3枚以内にまとめたほうが良いでしょう。
効率性を重視するならパソコンで作成
パソコンで作成できれば、流用や修正が簡単なので、効率的です。
前述のように志望動機や前述の実績・経験などは応募先の企業に応じて最善の表現となるよう、内容や表現を細かく変えましょう。
書きやすいフォーマットを選ぶ
職務経歴書は様式の自由度が比較的高いため、形式はご自身の経歴に合わせて書きやすいものを選び、レイアウトなどはカスタマイズして使うのも良いでしょう。
職務経歴は具体的に書く
業務内容などは具体的に書き、実績などはなるべく数字を挙げるなどして、あいまいな表現を極力避けることで、よりキャリアをはっきり印象付けることができます。
強調する業務や実績は応募先の企業に合わせる
職務や実績のアピールは、応募先の企業の募集内容によって取り上げる内容や表現を変えることが効果的です。
見やすいレイアウトを心がける
整然と見やすいレイアウトは、読みやすさから選考候補に残りやすくなります。
フォントの大きさや太字の使い方などを工夫し、表や箇条書きを使って読みやすい書類づくりを心がけましょう。
面接で利用されることを想定して書く
職務経歴書は履歴書と一緒に面接の際にも使用されますので、書かれた内容をもとに質問がされることを想定しておきます。
提出前に必ず誤字脱字を確認する
誤字・脱字は、「書類の確認が足りない」「適切な文章力がない」の2面で不利になりますので、提出前に何度もチェックを行いましょう。
書類選考に通過する職務経歴書を作るポイント
書かれている内容だけでなく、公式のビジネス文書としてのマナーなども気を配って、マイナス評価を受けないよう注意しましょう。
第一印象として良く見えるか確認する
郵送の際の封筒の表裏の書き方、メールに添付データで送付する場合の文面など、正式なビジネス文書のマナーに沿うように確認して書きます。
採用担当者が会いたいと思えるポイントを押さえる
採用担当者の方の声をご紹介しましたが、記載内容としてもっとも重要なポイントは以下の通りです。
・採用基準との一致
・具体的な業務経験
・応募者の実績
・応募者の強み
採用基準は公開されていない場合が多いのですが、採用情報からできるだけ推測し、求められている人物像を描いてみてください。
職務経歴書のNGポイントをチェックする
職務経歴書の内容を確認する上で、あらためてNG項目を挙げますので、チェックしましょう。
・誤字脱字がある
・文章量が多すぎる
・空欄が多く内容に乏しい
・わかりにくい表現や一般的でない専門用語を多用している
職務経歴書を提出する際のマナーにも注意する
郵送や面接時の手渡しの際は、クリアファイルに入れてから封筒に入れると印象が良いでしょう。
封筒は「角形A4号(角A4)」か「角形2号(角2)」が、A4サイズの職務経歴書を折らずに送れるため、おすすめです。
まとめ
選考に通過する職務経歴書の正しい書き方、押さえるべきポイントをご紹介しました。
すでに相応のキャリアを積んでいる方でも、ビジネス文書のマナーなどは意外な落とし穴もあるので、再確認されることをおすすめします。
伝わりやすい書類の書き方、採用担当者の立場に立った戦略的な職務経歴書で、面接まで進みましょう。
コラム記事の一覧へもどる