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内定承諾書のマナーガイド!作成方法・送り方を解説!

採用通知書を手にして、長く労力の要る転職活動に区切りをつけたとします。

少しリラックスしながら、内定した企業に内定承諾の意思を伝えます。

ここで意識すべきなのは、ある意味ではもう新しい会社での生活が始まっているということです。

新しい会社の方たちにとってあなたはすでに同僚であり、どんな人だろう?という、関心や評価の対象になっているのです。

内定承諾書は、あなたが採用された会社に対してとる、最初のコミュニケーションです。

この記事では、内定承諾書の作成方法や送り方のマナーについて、文例を交えて解説します。

内定承諾書とは(意味と目的も踏まえる)

内定承諾書は、企業から得た内定通知書への返答で、内定を承諾して入社する意思表示を行うものです。

内定承諾書を提出することで、企業に対して以下の意思を表示したこととなります。

・その企業に入社する

・以後、他の企業への就職活動を実施しない

・他社からの内定は辞退する

内定承諾書は基本的に、入社を決めた1社のみに対して提出します。

書面は企業側が必要事項を印字して作成した様式です。内容は企業ごとに異なり、定型やルールがあるものではありません。

記入日や現住所、氏名に捺印が必要になるものが多いため、記入前に内容をしっかり確認しましょう。

大切な書類なので丁寧に記入し、添え状を一緒に入れます。

内定承諾書の書式を受け取るタイミングは、採用通知書とともに同封されていたり、訪社時に記入したりとさまざまです。

採用から入社までの流れ

採用通知(企業より)→内定承諾書(内定者より)→内定通知(企業より)

内定承諾(入社承諾)の連絡マナー

内定承諾の意思の伝え方も企業により、また状況により手段などの違いがあります。

内定承諾の電話での伝え方

内定承諾に関しては書面の提出とは別途、電話で意思を伝えることが基本になります。

電話の時間帯は先方の都合を考慮し、出社後すぐや退社時間の間際、昼食時間を避けて連絡してください。

内定承諾のメールでの伝え方

入社承諾の連絡の電話をかけて担当者が不在の場合、メールで伝えます。

その際には「先ほどお電話いたしましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼します」と事前に連絡を入れていた旨も伝えましょう。

メールの送信アドレスは、なるべく私用のものではなく、実名を使ったフォーマルなアカウントから送信し、表示名もニックネームではなく実名を設定したものにしてください。

併せて署名の設定も、実名になっているか確認しておきましょう。

また、メールの件名は、先方からのメールに返信の形で送る場合は、件名を変更せず、「Re:〇〇〇」のままで送ると、受信した際に他の案件のメールに紛れることがなく、分かりやすいです。

そして、当然ですが現職(前職)の社用アドレスからメールを送ることは、けじめのない人という見られ方をしますので、やめましょう。

内定承諾書の返送(添え状)

添え状は送付状ともいい、内定承諾書などの書類を送る際に使用するものです。

添え状は「どんな書類が何通入っている」点をわかるようにし、書類やりとりの抜け漏れを防ぐほか、冒頭の挨拶の役割も果たしますので、内定への感謝と、働く意気込みを記しておきましょう。

内定承諾(入社承諾)の伝え方のポイント

内定承諾の際に、伝えるべきことは以下の通りです。

・採用のお礼

・内定承諾の意思表示

・働く意欲を伝える

・今後の予定確認

まず選考結果に対する感謝の気持ちを伝えます。

そして次に「内定をお受けいたします」と、はっきりと明確な表現をしてください。

ここで曖昧な返事のしかたは印象が良くない上、トラブルの元となるので、はっきりと伝えるのがマナーです。

メールでの連絡の場合は、電話で不在だったので取り急ぎメールで伝えた旨も書き添えておきましょう。

そして、相手先で働く意欲を一言語り、入社にともなう必要な手続き、入社当日のスケジュールについても確認しておきます。

電話での伝え方・メール返信の書き方・内定承諾書の添え状の例文(サンプル)

内定承諾の際に、実際にどのような表現をするのか、例文でご覧ください。

内定承諾の電話での伝え方

お世話になります。内定の通知をいただきました〇〇〇〇と申します。総務部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?

―担当者の方と会話―

この度は内定の通知をいただき、有難うございます。

本日は、御社からの内定を謹んでお受けさせていただきたいと思い、お電話いたしました。

入社後は、早く御社に貢献できるよう努力して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

この後の流れとして、入社までの手続きで必要なものや、入社当日のスケジュールについてお伺いできますでしょうか?

―連絡事項を聞き、メモする―

承知しました。改めまして、今後ともよろしくお願いいたします。

落ち着いた、明るい、はっきりした口調を心がけ、先方のペースに合わせて会話をしましょう。

メール返信の書き方

件名:内定承諾のご連絡=返信の場合は件名を変更せず(内定承諾のご連絡)と末尾に付記する

本文:

〇〇〇〇株式会社 総務部

〇〇様

お世話になっております。内定の通知をいただきました、〇〇です。

この度は内定のご連絡をいただき、誠に有難うございます。

貴社からの内定を有難くお受けさせていただきたいと思い、ご連絡をいたしました。

入社後は、早く貴社に貢献できるよう努めて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

皆様と一緒に働けることを楽しみにしております。

まずはお礼方々、ご挨拶を申し上げます。

先ほどお電話させていただききましたが、ご多忙のようでしたので、取り急ぎメールにて失礼いたします。

———————–

署名(氏名・電話番号・Eメール等)

メールの場合は、送信するアドレス、表示名、署名などを確認してください。

・内定承諾書の添え状

令和〇年〇〇月〇〇日〇〇〇〇株式会社

総務部

〇〇様

〒〇〇〇‐〇〇〇〇

東京都〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇

拝啓

時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度は、採用内定の通知をいただきまして、誠にありがとうございます。

(これは添え状なので、内定承諾の意思表示は表記しない)

入社後は、貴社のさらなる発展に貢献すべく精進する所存です。

ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

つきましては、以下書類を同封いたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

貴社の益々のご発展ご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

まずは書中をもちまして、内定の御礼を申し上げます。

敬具

内定承諾書 1通

以上

何も言葉を添えないで必要書類のみを送るというのはビジネスマナーに反するため、添え状を作成します。

添え状には内定承諾の件は表記しません。

また、細かいことですが、郵送の際には履歴書・職務経歴書の送付の際と同様、以下の点にも注意しましょう。

・送付用の封筒は白い封筒を使用する

企業から返信用封筒の同封がない場合は、茶封筒などではなく白い封筒を購入して返送しましょう。白い封筒は大切な書類などを送るためのもので、茶封筒よりも紙質がよく折れ曲がりやしわになりにくいからです。

また、小さな封筒に内定承諾書を折って入れるのは、良くありません。

A4サイズなどの書類を折らずに入れられる角2封筒などを使用しましょう。

・宛先の社名地名などは省略しない

宛先となる企業名や住所はは省略せず、都道府県名や番地、会社や部署の正式名称を正しく記載します。「株式会社」も(株)などと省略せず正式名を記載します。

部署宛にする場合、宛先に続き御中を、担当者に直接送付する場合は“様”を付けてください。

封筒表面の左下部分に、「内定承諾書在中」と書いておくことも大切です。

開封しなくとも中身がわかり、担当部署までスムーズに到着します。

・クリアファイルに入れてから封筒へ

雨の日の水濡れや水がこぼれたりしても書類に被害が及ばないように、念のため透明なクリアファイルに入れて封筒に入れましょう。

クリアファイルに入れると内定承諾書が折れ曲がったり汚れたりする可能性も低くなります。

また、確実に企業に届けられるように書留や速達などの郵便にしておくと安心で、万一の郵送事故などがあっても追跡ができます。。

内定承諾書の注意点

内定承諾書を出すにあたっては、確認をしておくべき要素があります。

内定承諾前に、企業は労働条件を提示することになっています。

「労働条件通知書」「雇用契約書」「内定通知書」の中で、労働契約の期間や勤務場所・業務内容・賃金などを開示するのが一般的です。

もし給与や休日、残業時間などの労働条件などで不明な点が残っている場合は、内定承諾前に必ず担当者に確認しましょう。

一度入社の意思を伝えた後に、働き始めの労働条件の変更はされないため、遠慮せずに確認しましょう。

内定承諾書後の辞退はできるか

内定承諾を出した後に入社できないこととなっても、法律違反などになることはなく、辞退は可能です。

ただし、労働契約などの問題があり、企業に対する配慮が必要な点があります。

内定承諾を受けて内定通知書が発行された時点で、労働契約を締結したものとみなされ、発行後は合理的な理由のない内定の取り消しは難しくなります。

内定承諾後の辞退で気をつけるべきこと

企業の採用通知を受けた時点でほかに応募結果を待っている企業がある場合、まず行うべきことは、「内定承諾を出すまでに猶予期間が欲しい」と願い出ることです。

通常、内定通知書の返却期限として企業から提示されるのは10日前後ですので、必要に応じて返却期限の延長の可否を交渉し、内定通知書の発行を保留してもらいます。

延長交渉は、メールか電話が主流です。

以下のような表現で伝えましょう。

この度は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。貴社からご評価をいただいたこと、大変嬉しく思っています。

内定のお返事につきまして、恐れ入りますが〇月〇日まで回答をお待ちいただくくことは可能でしょうか。

貴社には大きな魅力を感じておりますが、他にも選考を受けている会社があり、熟考の上でお返事を差し上げたいと考えております。

本来はすぐにお返事するべきところですが、私事でご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。

ご検討の程、何卒よろしくお願いいたします。

企業の返答がが希望よりも短い延長期限であったり、内定の取り消し(※)となることもありますが、基本的には配慮をしてもらうことができます。

※この段階では企業から内定通知書が出ていないため、労働契約が成立しておらず、企業からの内定取り消しは有効です。

もし延長の末、内定承諾を決めた場合は、以下のような表現で伝えます。

大変お世話になっております。貴社から内定のご連絡をいただきました〇〇です。

この度は内定承諾の期限について、ご配慮いただききまして誠に有難うございました。

検討の結果、是非貴社で働かせていただききたいと考えております。

私の都合で回答まで時間をいただき、申し訳ございませんでした。

1日も早く貴社で活躍できるよう努めて参りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

この延長のプロセスを経た上で、内定辞退をすることもあり得ます。

人生の方向を決める大事な決断ですので、企業に対して遠慮する必要はありません

ただ、内定の返答を保留する必要がある場合は、なるべく早めにその旨を連絡しましょう。

企業側は選考を進め、内定を出さなかった人に不採用通知を送る可能性もあります。

あなたが内定を辞退した場合、企業はほかの応募者に内定を出すことになりますが、不採用通知を送る前に保留にすることができれば、その後の企業の手続きは最小限で済みます。

まとめ

内定承諾書の作成方法や送り方のマナーについて、文例を交えて解説しました。

電話やメールで良い印象を与えることができれば、「仕事のできる人、入社後に円滑な人間関係を築ける人」という事前評価にもつながります。

ビジネスマナーとは儀礼的な要素だけでなく、そのような効果も含んでいますので、内定承諾から入社前までのやりとりでは気を抜かずに、心のこもったコミュニケーションを心がけましょう。

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