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テンプレ付き!志望動機・志望理由の書き方、伝え方について押さえておきたいポイント

履歴書の志望動機は、企業の人事担当者の方との意思疎通の一歩となる大切なメッセージです。

人事の方から見て、応募者が自社に対してどんな思いを持っているか、自社で何をしたいと考えているのかを確認するものです。

特に、新卒採用よりも、過去に類似業界・業種での就業経験があるキャリア採用の場合はその重要度は高まります。

この記事では、志望動機・志望理由の書き方、志望の文を通して思いを伝える書き方についてのポイントを、文例を交えてご紹介します。

履歴書の志望動機の適切な文字数と構成

まず、志望動機はどのくらいの文字数を設定し、どのような構成でまとめれば効果的かご説明します。

「書き出し」「締めくくり」が大事な理由

履歴書の中の志望動機の欄は、ご存じの通り、スペースに限りがあります。つまりその中で的確に伝える表現、光る表現が求められていることになります。

志望動機の文字数は、採用担当者の方が1分程度で読み切ることを考えて、200字~300字程度で書くことが良いとされています。

文字数が多過ぎる場合、伝えたい大事なことが伝わりにくくなり、少な過ぎると入社や転職の意欲に欠ける人だと判断されることがあります。

今まで「なかなか面接まで進めない」という方は、同じ文面を全企業に送っていませんか?

ハローワークの相談員の方のお話を例に出します。

これまで面接に全く進めなかった方が「年齢が原因でしょうか?」と相談に来たことがありました。

詳しく話を聞いたところ、その方はすべての企業に同じ志望動機文を送っていたことが分かったので、「企業の募集内容をよく読み、公式ホームページなどもチェックすること」「企業ごとに志望動機を書き分けること」をアドバイスしたところ、すぐに面接打診の連絡が2件来たそうです。

転職の志望動機文を通して採用担当者が知りたい要素を要約すると、以下の通りです。

1.当社で発揮できるスキル

これまでの業務経験などから培ったスキルや経験のうち、同企業に関連性の高い点を挙げます。

資格があればどのような動機で身につけ、どのように役立っているのか、習得したスキルが今後どのように活かされるか、自分の強みを明確にしましょう。それらは志望動機の中で大切な骨組みの一つになります。

前職までの業務経験が今回の応募にどのように活かせるのかは、直接関連性がある場合と、意外なところでつながっている場合がありますので、思い返してみてください。

2.なぜ当社なのか

これについては、明確な説得力がなければ、志望動機として弱いものになってしまいますので、注意してください。

他社も含めて応募する中で、「特にその企業を志望した理由がある」ということが、働く上でのモチベーションになるとみなされるからです。

「自社のことをよく研究してくれている」という印象を与えられるのも、プラスポイントとなるでしょう。

応募企業の商品やサービスを実際に使ってみる、店舗に行ってみる、パンフレットを読むなど積極的な情報収集も大切です。

実際に体験して感じたことを自分の言葉にできれば説得力が高まり、企業研究に対する意欲が採用担当者の方に伝わります。

さらに、企業の理念や体質、将来性などについては、インターネットからの情報収集が有益です。求人情報や採用ページ以外にも、ホームページ全体の内容を隅々まで熟読してチェックします。

経営者のメッセージ、会社の沿革、規模、事業内容、支店展開などを把握しましょう。

また、競合他社の商品やサービスを調べ比較したり、業界内での位置づけ、関係するニュースなども確認したりすると、応募企業の特徴やカラーをさらに理解できます。

3.どのように当社に貢献できるか

以上のような自分のスキルが、その企業で働く上でどのように活かせると思うか、ビジョンを表現することが大切です。

場合によっては、自分の柔軟性をアピールするために、あえて「今後、経験を積んで役立つために、何でもやります」と伝える方向性もあります。

正解は存在しませんが、企業は具体的な目標を持って働きたい人を歓迎することも、念頭におきましょう。

下の構成を軸に、応募先の企業やあなたの状況に合わせてベストな順序や組み合わせを検討します。

・書き出し(100字):志望動機・自分は何ができるか など。

・中間部分(60~100字):なぜその企業を志望するのか など。

・締めくくり(60~100字):将来のヴィジョン・どんな風に活躍したいか など。

このような内容を意識して盛り込み、全体の構成を組み立てますが、特に重要なのは書き出しと締めくくりです。

志望動機の書き出しで押さえるべきポイント

企業内では選考にあたって、多い場合で数百人単位の履歴書に目を通すこともあります。

志望動機の書き出しで第一印象を植え付け、採用担当者を引き込むことを意識しましょう。

芝居がかったり、内容を盛ったりすることは逆効果になりますが、書き出しがぼんやりとわかりづらい、あるいはピントがずれていると思われると、以降の内容が流し読みになってしまう可能性があります。

書き出しは「自分がこれから何がしたいか・できるか」という結論を先に書き、次にその理由や、応募企業に惹かれた過程、エピソードを持ってくるという順序がおすすめです。

志望動機の書き出しの例文

以下のように、ご自身の状況に合わせて、書き出しも工夫します。

例1(経験やスキルを売りにする場合)

前職までは無かった業務ですが、物件オーナー様の経営サポートのスペシャリストになりたいという目標があります。

不動産賃貸管理については、居住用・テナントを問わずリーシングから建物管理、オーナー対応、クレーム対応まで一連の業務を経験し、昨年には賃貸不動産経営管理士も取得しました。

御社でアセットマネジメントのスペシャリストとして貢献できることを希望して、応募いたしました。

例2(未経験の仕事に応募する場合)

これまでの学習塾講師として培った経験を活かしながら、新たに営業職に取り組むことを希望しております。

御社ではリモートセミナーによるプレゼンを定常的に開催され、成果を挙げておられると知り、学習塾でのリモート授業などの経験が役立つのではと考えた次第です。

現場対応力や、相手に合わせて説明するプレゼン力を、未経験の営業のフィールドに活かせたらと考えております。

例3(応募先の企業に思い入れがある場合)

御社の製品「〇〇」に憧れて、子供の頃からお小遣いを貯めて購入し、愛用してきました。

家業の事情で御社への新卒応募は叶わなかったのですが、その後「〇〇」修理・メンテナンスの専門家として経験を積んできました。

志望動機の締めくくりで押さえるべきポイント

志望動機の締めくくりは、採用担当者に「募集している職種で活躍してくれる人」という印象を持ってもらうよう、意識しましょう。

「将来このように活躍したい」、「未経験だが、早く戦力となり結果を出したい」など、前向きな意思を前面に出します。

志望動機の締めくくりの例文

以下のように、どのような印象付けをするかに合わせて、締めくくりも工夫します。

例1(本気度を前面に出す場合)

実績に応じて評価する御社の姿勢にお応えするべく、これまでの営業経験を活かして、事情に明るい埼玉南部エリアの売上拡張を担う意志で応募いたしました。

例2(即戦力を期待してもらう場合)

前職で身に付けた法務に関する知識と経験を通して、御社の契約管理業務のお役に立てると信じております。

例3(やる気のアピールをする場合)

未経験ながら、求職中にアルバイトと資格取得の勉強を通して、御社で即戦力となれるように準備をしてまいりました。何卒宜しくお願い致します。

NGな志望動機

以下のような点を志望動機の中に書くと、「当社にマッチした人材」以前に、応募者としての見識を疑われる場合がありますので、注意してください!

書類選考に通過できない原因となる可能性もあります。今までこのようなニュアンスで書いていないかどうか、チェックしてみましょう。

例1(志望動機があいまい)

御社の経営理念に感銘を受けて、ぜひ応募させていただきたいと思いました。

粘り強さは誰にも負けません。

〇〇と言えば御社なので。

客観的な比較材料や根拠のない表現を多用すると、あいまいな意志しか伝わらりません。上の例の経営理念に関しては、「どこに」「なぜ」感銘を受けたのかを書く必要があります。

例2(勉強したい)

御社の最先端のDX環境で学びたいと考え、応募しました。

優れた諸先輩方の胸を借りるつもりで、じっくり勉強します。

充実した研修制度に魅力を感じました。

勉強熱心は大切なのですが、業務は勉強の場ではありません。

「勉強は自分で進んでするものでは?」と、的外れな印象を与えてしまいます。

例3(待遇面をほめる)

御社の恵まれた給与体系に魅力を感じました。

ワークライフバランスの取れた、充実した人生を実現できると思いました。

転勤がない点に惹かれました。

ワークライフバランスや賃金は重要ですし、企業側も当然、従業員を安定した環境で雇用し続けたいと考えています。

しかし経営は情勢次第でいい時ばかりではないことも踏まえると、募集時から待遇にこだわる人は、会社が不遇の時に立て直しに尽力するのではなく、真っ先に退職しそうだというイメージがついてしまいます。

例4(キャリア自慢が過ぎてしまう)

私の顧客管理のノウハウで、御社の営業体制を変えられると思います。

現職でも古い営業体制を一新して効率の良い営業体制を構築しました。

強気で自信のある態度は、歴史の長い会社や古い体質の会社では嫌われがちですので、本当に自信があっても、アピールの方法に注意してください。

とくに自信のアピールがマネージメントスキルとセットになっていない場合、協調性のない人とみなされるリスクが出てきます。

例5(家が近かった)

通勤時間30分以内というのが魅力でした。

地元で働きたいという夢をかなえたく…。

家から近いに越したことはありませんが、「地元で働きたい」「家から近いのがいい」とは、どちらも応募者側の都合であって、企業には関係がありません。

つまり志望動機のアピールには全くなっていないことになります。

また、「そんな動機で選んでいるのか」という捉え方もされてしまいます。

地元志向について書くのであれば、「地元の発展に貢献したい」「お世話になった地元に、〇〇を通じて恩返しをしたい」という表現であれば適切です。

これらのNG文例は、アピールをするつもりが逆効果になってしまった例ですので、注意が必要です。

状況別/職種・業界別|履歴書の志望動機の例文

次に、希望する職種・業界別の志望動機の例文をご覧ください。

今後働く業務について、それぞれの業界・業種ごとに個人の問題意識の反映のされ方が異なってくる点に注目してください。

営業の例

私はこれまでの4年間、カスタマーサポート部門で顧客管理、モニターアンケート集計、クレーム対応などの業務に携わってきました。商品やサービス機能に対する顧客の意見や改善要望をまとめる経験を重ねるうちに、ニーズに合わせた商品の提案ができる営業職を目指したいと思い、転職を決意しました。

貴社のCRM分野に関する先進性と、真の意味で顧客第一主義を実践する姿勢に共感し、現場営業とCRMのパイプをより強固なものにするために、営業職としてお役に立ちたく、応募いたしました。

総務の例

私は対面営業では6年間にわたり別紙通り成績を残してまいりました。

貴社のチームワークを重視する社風に共感し、また、業務規模的にも私の提案するような社内の円滑なコミュニケーションや、部署間の調整が多数あると拝察いたします。

営業の現場で培った交渉力が、総務部門でお役に立てる可能性を感じ、志望しました。

ITエンジニアの例

前職は営業職として、外資系企業を担当しておりましたが、日本企業との雇用やプロジェクトに対して「こんな営業支援アプリがあったら」と思いましたが、そのようなアプリは現存しません。

ではいっそ自分で開発したいという思いがきっかけとなり、転職を決意しました。

数あるシステム開発企業の中で貴社を志望したのは、営業支援ソフト開発における独創性と、ユーザー支持率の高さに可能性を感じたからです。

経理の例

前職までは月次と年次の決算処理を担当業務としてきましたが、今後は得意とする英語力も活かし、英文会計を強みとしたいと考え、転職を決意しました。

貴社は、以前から積極的に海外展開をおこなっているうえ、現在の海外売上比率は65%超と伺っております。

グローバル経営に強い貴社の姿勢に大きな魅力を感じるとともに、私のスキルと経験を活かして事業拡大に貢献しつつ、自身の志向するキャリアも実現できる可能性を感じ、志望いたしました。

マネジメントの例

私は賃貸管理業、プロパティマネジメント業においては10年強のキャリアを積んでまいりましたが、投資家様への既存のアプローチについて、相続や底地の扱いなど、従来の一般的な方法に不十分な点を感じ、転職を考えるに至りました。

貴社のアセットマネジメント力への定評と、新しいことを取り入れる柔軟な社風に魅力を感じるとともに、新しい投資家支援にチャレンジできる可能性を感じて、志望させていただきました。

このように志望動機文は、応募する企業の業界や業種、前職と業種・職種が類似するか異なるかなどによって、表現の仕方が変わってきます。

さらに同業種・同職種への応募であったとしても、企業ごとのカラーや専門分野などによって、書き分けが必要となるでしょう。

また、一見関係がないようなスキルや経験が結び付いて、将来の役に立つこともありますので、応募先の企業を検討する際にも、幅広い視点から考えてみることをおすすめします。

志望する企業のことを研究し、よく消化した上で、ご自身のスキルや志向との接点を見出し、表現してください。

まとめ

志望動機・志望理由の書き方を通して思いを伝える方法についてのポイントを、文例を交えてご紹介しました。

志望動機については、なるべく多くの情報を事前に調べ、自分なりに幅広い視点から考えることで、ご自身の中から新しい要素が湧き出てくることがあります。

採用側に対して一方的にへりくだる必要はありませんし、相手側を選んでいるのは、応募者も同じです。

しかし、まず面接まで進めなければ、さらに自分をアピールすることも、応募企業の詳細や社風について深く知ることもできません。

多くの応募先について検討し、考えることは相応に労力が必要ですが、よりよい転職活動のため、ぜひ力を入れて取り組んでいただけたらと思います。

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