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SMCラボラトリーズ株式会社

新薬の研究受託、および研究開発

東京都大田区南蒲田二丁目16番1号 テクノポートカマタセンタービル

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  • 事業の成果について

    開発について2024年3月22日  公開

    業界でどんな成果を挙げられましたか?

    実態はこうです

    貴重なご質問をいただきありがとうございます。

    弊社の企業アセットの中で特に大きなものは、近年医薬品業界でも話題になっている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から肝臓がん(HCC)を自然発症させる病態モデルマウス「STAM™モデル」の開発です。

    特にここ最近は、「STAM™モデル」はヒトと同様の肝癌の病態進行モデルとして、肝臓がん治療薬開発への応用活用が期待され、業界全体の話題を集めています。

    肝臓がんはウイルス性肝炎やアルコールの過剰摂取などがもとで発症することが知られていましたが、昨今の医療技術の発展により糖尿病を背景とした病態進行からも肝臓がんに発展しやすいことが分かってきています。

    「STAM™モデル」はマウスのインスリン分泌機能を低下させた上で高脂肪食を給餌して作製し、後期2型糖尿病の背景を有して脂肪肝、NASH、線維化、そして肝癌へと病態が進行します。

    私たちが提供する医薬品開発の中でも、特に非臨床試験での発想の第一歩として「いかに人間の症状と近い病態モデルで試験提供ができるか」が非常に大事なポイントになってきます。

    その点、ヒトの病態進行を自然に表現する臨床に近い「STAM™モデル」は、非常に高いクオリティを持っており、ヒトの病態を背景に持つ評価モデルは今後新たな開発トレンドにも汎用性高く活用されるポテンシャルを持ったマルチインターフェースとしての役割を持っていると言えます。

    2014年に発売されたオプシーボという免疫療法剤は従来の化学療法と一線を画す素晴らしい効果があり、癌治療は大きく前進しました。そのため、がん免疫療法は、現在世界中で最も研究開発に取り組まれているジャンルでもあります。

    一方で、免疫が癌細胞を攻撃する力を保つ免疫チェックポイント阻害薬という薬は、様々ながん種(がんの種類)への大きな効果が確認されていますが、肝臓がんにはさほどの効果を示していないということがわかっています。

    弊社は肝臓領域での専門的なサービスを業界の中でも長く提供してきました。これまで「STAM™モデル」を利用してきた世界の多くの研究者たちの知見もそれとともに深まってきました。

    現在、「STAM™モデル」は、世界で最も肝臓のがん免疫療法において、評価に適したモデルと言われています。今後も「STAM™モデル」は、NASH-HCC分野の医薬品開発の進歩に大きく寄与していくと考えています。

    2024年に、従来の病態モデルや免疫チェックポイント阻害薬の開発トレンドや業界知見を踏まえ、「STAM™モデル」を新たに「STAM™がん腫瘍免疫モデル」としてプレスリリース※をしました。

    今回の取り組みの大きな成果は肝臓がんの病態を正確に表すこれまでの「STAM™モデル」の開発そのものにもありますが、ヒトの様々な病気に対する治療薬の開発にも活用できる可能性を打ち出したことがより大きな成果に繋がったと確信しています。

    弊社は医薬品開発の一端を担う会社として、世界的に確かな技術に基づく非臨床試験サービスを提供し、未だ治療薬のない病気の医薬品開発に貢献したいという強い想いがあります。

    そのため、クライアントが開発した医薬品の治験がうまくいったというニュースや、弊社のサービスが向上したことが証明された時、非常に喜ばしく思います。

    また、弊社の試験結果を使った秀逸な論文が世の中に出た時や、弊社のサービスが有名な国際学会で発表された場合も同様です。

    2024年3月、米国FDA(食品医薬品局)が、世界で初めてとなるMASH/NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)治療薬の承認をしました。

    私たちがこの事業を始めたおよそ20年前、NASHの社会的認知度はまだまだ低く、開発市場としてもとても小さかったことを覚えています。

    私たちは、その頃からずっと将来必ず必要とされるこの疾患領域に専門特化し、事業を追い続けてまいりました。

    今回の新薬承認は私たちが過去20年間この疾患にこだわり抜き、専門CROとして取り組んできたこの事業にとっても一つの大きな成功と言えます。

    世界で初めてとなる今回の承認は、今後数十億ドル以上の規模と言われる市場機会を開く最初の治療薬となります。

    20年以上もの長い間、世の中から期待され続けてきたこの疾患領域に対する今回の新薬は、弊社にとっても同領域の開発市場でもさらなる成長促進が期待されています。

    何よりも、弊社の社会的使命でもある患者QOLに資する社会の夢を体現する大きなニュースとなりました。

    私たちは、私たちの今後の事業を通じて、後続する新薬に向けたさらなる開発の促進が、より多くの患者の方への希望となるよう、これからも一層の企業努力を続けてまいります。

    ※プレスリリース

    1, 「SMCラボラトリーズが、肝癌新規治療薬の開発に利用できる肝癌腫瘍免疫モデル『STAM™-HCC/IO+マウス』を発表」
    https://jp.prnasia.com/story/107352-3.shtml

    2,「 FDA、脂肪肝疾患による肝瘢痕患者の最初の治療法を承認」

    https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-treatment-patients-liver-scarring-due-fatty-liver-disease

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