組織の課題を解決するコンサルティング会社は数多くあります。
人事制度を見直す、採用を強化する、研修を実施する、営業力を高める。
企業が抱える課題に応じて、さまざまな支援が行われています。
では、アチーブメント株式会社の組織変革コンサルティングは、一般的な組織コンサルティングと何が違うのでしょうか。
同社が目指しているのは、ただ売上高や利益の増加だけを目的とするコンサルティングではありません。
制度や仕組みだけに着目するのではなく、組織を構成する一人ひとりの人に向き合います。
今回お話を伺ったのは、新卒でアチーブメントへ入社し、人事部で3年間の採用経験を積んだ後、組織変革コンサルティング部に異動した稲留佳帆さんです。
なぜ人事部新卒採用担当から、組織変革コンサルタントへ挑戦したのか。
アチーブメントならではの組織変革とは何なのか。
そして、人や組織と向き合う仕事にはどのような面白さと難しさがあるのか。
これまでの経験や実際の支援事例とともに、詳しく伺いました。
ーこれまでのキャリアについて教えてください。組織変革コンサルティング部へ異動したきっかけは何だったのでしょうか。
2020年に新卒で入社して、最初の3年間は人事部で採用を担当していました。
人事の仕事は本当にやりがいがありましたし、仕事を通して会社をより好きになれた3年間だったと思っています。
ですが同時に、いつかはお客様と直接仕事をする部署を経験したいという思いもずっと持っていました。
アチーブメントの採用活動は、人事だけで完結するのではなく、現場の社員と一緒になって取り組みます。
その中で、コンサルタントとして働いている先輩たちから、お客様とのエピソードを聞く機会がたくさんありました。
人事として採用や組織づくりに携わってきた経験は、組織変革コンサルティングでも活かせると感じていました。
会社からも、人事での経験をお客様への支援に活かせるのではないかと言ってもらい、異動することになりました。
ー人事で実績を積んでいた中で、別の部署へ移ることに不安はありませんでしたか。
もちろんありました。
一番わかりやすく、ある意味では楽な道は、そのまま人事でキャリアアップしていくことだったと思います。
ただ、私は20代のうちにチャレンジしたいという思いが強かったんです。
新しい領域に飛び込むなら20代の今のうちではないかと考えました。
ダメだったら、そのときにまた考えればいい。
そう思いました。
ー組織コンサルティングを手がける企業は数多くあります。その中で、アチーブメントならではの強みはどこにあると考えていますか。

私が大きな違いだと感じているのは、効率性だけではなく効果性を追求していることです。
もちろん、私たちもお客様の売上高や利益といった業績を見ています。
ただ、売上高が伸びるだけで組織変革も成功するとは考えていません。
そこで働いている社員一人ひとりが会社に対する所属意識を持てているか。
仕事にやりがいを感じているか。
さらに大きく言えば、人生そのものに充実感を持てているか。
そうした部分まで追求します。
アチーブメントには、会社は社員の自己実現の舞台であるという考え方があります。
会社のために社員がいるのではなく、社員が自分の理想や自己実現を追求する舞台として会社があり、その先に会社の発展がある。
個人と会社が、お互いにとってプラスになる関係をどうつくるのか。
その部分まで踏み込んで考えることが、私たちの組織変革コンサルティングの特徴だと思っています。
ー売上高を伸ばすための手段として人を見るのではなく、人を起点に組織の成長を考えるということでしょうか。
そうですね。
お客様がアチーブメントを選んでくださる理由も、単に売上高を伸ばしたいからではありません。
社員が「この会社で働いていて良かった」「この会社が自己実現の舞台である」と思える組織にしたい。
そのうえで会社も成長させたい。
そう考えている経営者の方々と一緒に組織をつくっています。
支援する中でも、そこで働いている社員の方が本当に笑顔になっているのか、キャリアアップしたいと思えているのか、仕事が楽しいと思える状態になっているのかは常に意識しています。
ー実際の支援では、どのように組織が変わっていくのでしょうか。印象に残っている事例を教えてください。
新卒採用を一度も行ったことがない企業様の採用プロジェクトが、特に印象に残っています。
私はもともと採用担当だったので、その経験を活かしてプロジェクトに参加しました。
一般的な採用支援であれば、どうやって母集団を形成するのか、どのような選考フローをつくるのかといった方法論から入るケースも多いと思います。
ただ、私たちはそこから始めませんでした。
そもそも何のために採用するのか。
どのような人を採用したいのか。
そして、採用した人たちと将来どのような会社をつくりたいのか。
経営者やプロジェクトメンバーの皆様と、そこから徹底的に話し合いました。
もちろん、具体的な採用ノウハウも提供します。
ただ、方法を決める前に目的を明確にすることを大切にしています。
ー実際に、どのような変化がありましたか。
まず、全国から優秀な新卒社員を採用することができました。
さらに、その新卒一期生の一人が、それまでの先輩社員の記録を塗り替えて最短で拠点の責任者に昇格しました。
ただ、私がそれと同じくらいうれしかったのが、採用プロジェクトに参加した既存社員の皆様の変化です。
新しく入ってくる人たちを見て、「この学生が入社するときまでに自分は1つ上の役職に就きたい」「もっと良い会社にして迎えたい」と考えるようになり、プロジェクトメンバー自身がキャリアアップを目指すようになったんです。
結果的に、プロジェクトメンバーの皆様もキャリアアップされました。
経営者の方からも、採用が成功したことだけではなく、社員が会社の未来に当事者意識を持つようになったことを喜んでいただきました。
新しい人材を採用するという成果と、既存社員の成長。
その両方を実現できたことは、アチーブメントらしい支援だったと思っています。
ー組織を変えるには、経営者だけではなく現場の社員も巻き込む必要があります。難しさもありそうですね。
非常に重要な部分だと思っています。
私が意識していることは、大きく3つあります。
1つ目は、プロジェクトを始める段階でのメンバー選定です。
経営者とプロジェクトリーダーの価値観が大きく違っていたり、現場がやらされていると感じていたりすると、良いプロジェクトにはなりません。
そのため、経営者の方と慎重にメンバーを決めます。
場合によっては現場の社員の方とも事前に話し、今はまだプロジェクトを始めるべきタイミングではないと判断することもあります。
2つ目は、プロジェクトが始まってから経営者と現場の橋渡しをすることです。
経営者が考えていることと、現場が感じていることは必ずしも同じではありません。
どちらかの味方になるのではなく、双方の考えをフラットに捉えて、お互いに伝わるように橋渡しする役割を担います。
そして3つ目は、最終的に経営者がどのような会社をつくりたいのかを常に確認することです。
現場の声を大切にしながらも、組織として目指す方向を見失わない。
その間に入りながら、組織全体が前向きに動ける状態をつくっていきます。
ー人事部での3年間は、現在の仕事にどのように活きていますか。

大きく2つあります。
1つは、お客様側の気持ちがわかることです。
私たちの仕事は経営者の方と進めることが多いですが、実際のプロジェクトには人事担当者をはじめ、さまざまな社員の方が参加します。
私は採用担当として、全社の採用目標を背負うプレッシャーも経験しましたし、内定が出た瞬間のうれしさも経験しています。
だからこそ、外部のコンサルタントとして支援するだけではなく、お客様のプロジェクトに一社員として入っていくような当事者意識を持てるのだと思います。
もう1つは、採用に関する専門性です。
コンサルタントとして、豊富な知識を持っていることは重要です。
私は自社の採用に丸3年間、取り組んできました。
その知識量や実務経験は現在も強みになっています。
また、お客様には失敗体験をお話しすることも多いです。
良い人材を採用した方がいいことは誰でもわかっています。
でも、実際には魅力を伝えきれなかったり、入社してもらった後に離職してしまったりする。
私自身が成功も失敗も経験しているので、きれいな方法論だけではなく、実際にやってみたときの難しさまでお話しできます。
経験してきたからこそ持っている感覚まで含めて伝えられることは、現在の仕事でも活きていると思います。
ー異動後、壁にぶつかった経験はありましたか。
異動した当初はかなりありました。
私は採用については専門性を持っていましたが、それ以外の組織づくりについては十分な専門性がありませんでした。
経営者の方と話していると、幹部育成、営業力強化、人事制度、社風、離職など、本当にさまざまな相談をいただきます。
良い人を採用するにはどうすればいいかという質問には答えられる。
でも、それ以外には十分に答えられない。
自分に専門性がないと、こんなにもお客様の力になれないのかという悔しさがありました。
ーどのように乗り越えていったのでしょうか。
まずは勉強しました。
知識で勝つことはコンサルタントの鉄則だと思っています。
さまざまなお客様の事例や自社サービスがどのような場面で効果を発揮するのかを学び、組織課題を自分なりにパターン化して、仮説を持てるようにしていきました。
同時に、大きかったのが自分一人ですべてを解決しなくてもいいと気づいたことです。
アチーブメントでは「チームアチーブメント」という言葉を使います。
1つの企業に対して複数のコンサルタントが関わり、それぞれの強みを活かして支援します。
自分より詳しい先輩がいれば力を借りる。
場合によっては後輩の方が強い領域もあります。
特定の業界に詳しい社員に相談することもあります。
自分一人の力ではなく、アチーブメント全体の力でお客様を支援する。
そう考えられるようになったことは、コンサルタントとして大きな変化でした。
ー組織変革コンサルタントとして、最もやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか。

やはり、お客様から良い結果をご報告いただいたときですね。
組織づくりは、取り組んだからといってすぐに結果が出る仕事ではありません。
良い傾向が見えてきたので、このまま頑張りましょうという状態で一度プロジェクトが終わることもあります。
それから数年経って、「あのとき採用した社員が最短で昇格したよ」「あのプロジェクトをきっかけに売上高がここまで伸びたよ」といった連絡をいただくことがあります。
時間が経ってから届く報告は、本当にうれしいですね。
仕事を通して出会った方が昇格したり、成果を出したり、ときには結婚したり子どもが生まれたりする。
私自身も成長して、お客様も成長していく。
社外に人生の仲間が増えていくような感覚があります。
一時的な成果だけではなく、お互いの成長に長く関わっていけることが、この仕事の大きな魅力だと思っています。
ー現在はリーダーとして若手社員の育成にも携わっています。人を育てるうえで大切にしていることを教えてください。

私自身が教えてもらってきたことでもありますが、「仕事の中に人生があるのではなく、人生の中に仕事がある」という考え方を大切にしています。
会社のための自分になるのではなく、自分がどのような人生を送りたいのか、どのような自分になりたいのかを考える。
その理想を実現するための舞台の1つが仕事だと思っています。
もちろん、メンバーの仕事のクオリティや業績目標も見ています。
ただ、業績目標そのものがゴールではありません。
私たちは、業績目標は自分を成長させるためのマイルストーンだと教わってきました。
なりたい自分がいて、実現したい人生がある。
その道筋の1つとして、今期の目標がある。
だから私は、目標設定だけではなく、その手前にある何のために頑張るのかという目的設定まで支援できるリーダーでありたいと思っています。
ー今後、ご自身のキャリアではどのようなことに挑戦していきたいですか。
専門性という意味では、採用と人事の領域をもっと突き詰めていきたいと思っています。
組織変革コンサルティングでは、理念策定や理念浸透のための研修、幹部育成、階層別研修、採用、人事制度、営業力強化、組織の状態を把握するサーベイなど、さまざまなサービスを扱います。
その中でも私は、人の採用と育成こそ組織の根幹だと思っています。
良い人材に入社してもらい、その人が将来の幹部へ成長していくためには、どのような仕組みや環境が必要なのか。
採用して終わりではなく、その先まで支援できる専門性を高めていきたいですね。
一方で、長期的には子育てをしながら現場で働き続けたいという思いもあります。
女性社員がもっと自分らしく、生き生きと活躍できる会社を、自分自身が最前線に立ってつくっていきたいです。
現在は研修講師にも挑戦しています。
20代の研修講師として活動していて、女性の講師もまだ多くありません。
研修講師は、自分がうまくいったことだけでなく、うまくいかなかったことも含めて、人生で経験したことすべてが仕事に活きる職業です。
今までの経験だけで語る講師と、これからさまざまなライフイベントやキャリアを経験した後の講師では、伝えられることも変わると思います。
これからも経験を重ねながら、語れることを増やせる講師になっていきたいですね。
ー組織コンサルティング業界を志望している学生へメッセージをお願いします。

変化の激しい時代ですが、私たちは社会の最小単位は「人」だと考えています。
人の教育が良い組織をつくり、良い組織が増えることで、より良い社会につながっていく。
だから、本当に良い組織や良い社会をつくりたいと思っている人には、人材教育や組織変革という仕事は非常に面白いと思います。
特に、単に会社の売上高を伸ばすだけではなく、どうすれば一人ひとりが自分の人生を生きられるのかというところまで追求したい人には、アチーブメントの仕事が合っていると思います。
ーどのような人と一緒に働きたいですか。
本気で人と組織に向き合える人ですね。
私たちがお客様として向き合うのは、自分より年上で、自分以上にさまざまな経験をしてきた経営者の方がほとんどです。
新卒であれば、社会人としての経験では当然お客様に及びません。
それでも、本気でその会社を良くしたい、その組織と向き合いたいという姿勢があれば、一緒にプロジェクトをしたいと思っていただける。
コンサルタントという言葉から、華やかな仕事をイメージする方もいるかもしれません。
でも、実際にはとても地道な仕事です。
私たちは「本質を本気で追求すると本物になる」と言っています。
理想論だと思われるようなことでも、本当に実現したいなら、泥臭く、地道に追求し続ける。
そんなふうに、理想を描くだけではなく、その実現に向けて努力できる人と一緒に働きたいと思っています。