皆さんは「コインランドリーピエロ」をご存知でしょうか。FC展開により店舗を拡大させ、いまや全国に600店舗も存在しています。
また、市場調査では主婦が選ぶコインランドリー店鋪の支持率で第1位を獲得。
そんなコインランドリーを運営しているのが、株式会社センカクです。
今回は、センカクの代表である岡村義行氏に、事業・サービスの強み、理念、全く別の介護業界に参入した理由、今後のビジョンなどをインタビューしてまいりました。
ー貴社ではどのような事業を展開されていますか?
岡村氏:
「コインランドリーピエロ」のフランチャイズ事業を中心に、トランクルーム事業、クリーンネス事業、排泄介助を目的とした自動排泄物処理ロボット「シルバー」などを販売するデバイス事業を展開しています。
当社の社名であるセンカクは、主婦の家事労働を軽減すべく、「洗濯で革命を起こしたい」という想いが込められています。
洗濯で革命を起こすことをミッションに事業を展開し、コインランドリーピエロは現在、全国に約600店舗を構えています。
ーコインランドリーピエロの強み、他社との違いについて教えてください。
岡村氏:
当社のコインランドリーの強み、こだわりといえるのが「洗剤」と「水」です。
洗剤は、当社が開発したオリジナル洗剤を使用しています。特殊界面活性剤、酸素、クエン酸を配合した植物由来となっており、洗浄力が高いだけでなく、泡切れも良いため、すすぎは1回。洗濯時間の短縮も実現しています。
水は専用の機器で生成したマイナスイオン水(電解水)を使用しています。ファインバブルによって、洗剤の量を抑えることが可能です。
また、冷水ではなく、40度の温水を使用することで、家庭の洗濯では落ちにくい皮脂汚れなどもクリアにします。
ー店舗づくりにおいての理念などはございますか。
岡村氏:
まずは、無人で運営するということが前提です。その上で住宅街に近い場所に店舗を展開しています。
そして、その街に合った店舗づくりをしています。
例えば、独身の方が多いのか、ファミリー層が多いのか、ご年配の方が多いのかなどは地域によって異なります。
また、車社会なのか自転車社会なのかも大きな違いです。そういった点を分析した上で、店舗に設置する機械などを構成しています。
地域に密着した店舗づくりをしてきたことが、店舗数をここまで拡大できた理由であり、他社との違いといえるのかもしれません。
当社は、クリーンネス事業も展開しているのですが、この事業は、コインランドリーを綺麗に保ち、利用者に快適に利用していただくために立ち上げたものです。
コインランドリーはダクトの清掃が必須なのですが、清掃できる業者が少ない状態でした。
それならば作ってしまおうと。
そして、店舗を管理するSV(店舗スーパーバイザー)を置き、そのための部署も作りました。
また、トランクルーム事業に関しては、コインランドリーの余ったスペースを有効に活用するためにトランクルームを設置したのがはじまりです。
当社のコインランドリーの多くが都心部の住宅街に近いこともあり、ニーズがあると考えました。
ーコインランドリーのフランチャイズ事業においての他社との違いなどはございますか。
岡村氏:
通常ですと、オーナーが決まってから出店する土地や店舗を探します。
それから建築、工事などして機械を入れるのですが、店舗探しに1〜2ヶ月、そこから工事をしてオープンまでに6ヶ月と、多くの時間を費やします。
じつは、この間にオーナーの気持ちが冷めてしまうケースも多くございます。
そこで、スピード感を持たせるために先に店舗を完成させ、オープンさせてからオーナーを募るというスキームを確立させました。
このスキームの利点は、自分たちで店舗を探し、責任を持ってオープンさせることで、その店舗への愛着が沸くことです。
自分たちが作り上げた店舗ですので、社員は自信を持って売りますし、管理もしっかりしていかなければいけないという意識づけもできています。
ー自動排泄物処理ロボット「シルバー」を開発し、介護業界に参入した背景を教えてください。
岡村氏:
自動排泄物処理ロボット「シルバー」を展開するデバイス事業は、当社の会長である西山の一言からはじまったものです。
近年、親御様の介護をするために、働きたくても働けない状況になってしまう方がいらっしゃいます。仕事を辞めて在宅介護をする方が増えていると。
介護のなかでも大変なのが、夜の排泄物処理ということを聞き、この負担を軽減するためになにかできないかと考えていたところ、ロボットを開発する機会がありました。
わたしの両親はもう他界しているのですが、やはりおむつに抵抗があるようでした。
ですが、家族に迷惑をかけたくないという思いがあることもわかりました。
「介護される側とする側、両方の気持ちを楽にしたい。」という想いと、負担を軽減することを目標に開発を進め、ようやく形になりました。
シルバーは主婦の方など、在宅介護の負担の軽減をするために開発しましたが、高齢化に伴い、介護施設に入られる方も増えています。シルバーを活用することによって、介護施設で働く方々の労働も軽減できればと考えています。
よく、おむつをやめてシルバーだけを使用すると思われている方が非常に多いのですが、人手が足りず、排泄の確認、交換や処理が大変な夜間だけ、紙おむつからシルバーに変えていただければという想定のもと開発しました。
介護機器や消耗品は日々、進化しており、おむつも非常に良いものができています。ですので、それを無くそうというおこがましいことは考えていません。
介護の大変な部分を少しでも軽減したい。当社は「お役立ち企業である」ということが事業の根本にあります。
また、SDGsへの貢献にもなるのではないかと考えた事業でもあります。紙おむつは、一般廃棄物のゴミの割合の6%~7%ぐらい占めてしまうんですね。
その1%でも減ることで、環境への配慮にも繋がるものではないかと考えています。
ー視点を変えて、貴社に入社してほしい「求める人物像」とはどのようなものでしょうか。
岡村氏:
「自分のやりたいことがはっきりしている人」です。自分が最大のパフォーマンスを発揮できる時って楽しいじゃないですか。
ですので、誰に、何に負けないとかではなくて、自分が何をしている時が楽しいんだって分かっている人間が一番面白いのです。
もう1つは、当たり前ですが「嘘をつかない人」。自分に嘘をつかない、人を騙さない人。素直な人材を一番求めています。
ーでは、最後に今後のビジョンについてお教えください。
岡村氏:
当社は、コインランドリーからスタートした会社ですから、今後もコインランドリー事業を中心に展開をしていきたいですね。
現在、600店舗までオープンしましたが、1000店、1500店を目指します。
ただオープンするだけではなく、地域に密着することも変わらず重視していきたいです。コンビニとまではいきませんが、便利なスポットとして、地域に根ざしたいと考えています。
コインランドリーの利便性を感じてもらい、活用することで趣味や休息の時間を作ってもらうなど、お客様のライフスタイルを良い方向に変えていきたいです。
また、コインランドリーだけではなく介護など、さまざまな分野で「センカク」という名前を広げていきたいですね。
「お役立ち企業」として、世の中にもっともっと信用してもらえる企業になるべく、上場を目指して、社員一同頑張っていきます。
さいごに
株式会社センカクの岡村義行社長に同社の事業の強みや他社との違い、コインランドリー事業や自動排泄処理機であるシルバーを開発した背景や今後の展望などについてお話を伺いました。
主婦の家事労働を軽減する「洗濯革命」を起こすべく、事業をスタートしたセンカク。
基本理念である「生活密着」そして「お役立ち」を根本に、さらなる飛躍が期待される同社のこれからに目が離せません。