超少子高齢化による医療課題を解決するため、医療現場とデジタル技術をつなぐ新しいサービスを次々と生み出すドクターズ株式会社。
同社の代表取締役である柳川貴雄氏が、いかにして口コミや評判と向き合い、企業価値や医療サービスの質を高めているのでしょうか。
ユーザーの声をどのようにサービスへ反映しているのか、そして誠実に向き合うための仕組み作りや考え方に興味を持つ方も多いでしょう。
本インタビューでは、経営者としての視点、そして医師としての視点の両面から「口コミや評判への向き合い方」について伺いました。
口コミの重要性を再認識したのは地方の医療現場だった
‐‐柳川さんが経営者として、口コミや評判を強く意識したきっかけを教えてください。
柳川氏:
医療の世界は、「◯◯病院の先生がいいらしい」「あのクリニックは親身になってくれる」など、患者の皆様の口コミで支えられている部分が多いんです。「あそこなら間違いないだろう」といった評判はとても大切でしたね。
医療においては患者の皆様の体験談や口コミの力が想像以上に大きく、その評判が医療機関を選ぶ決定的な要素になるわけです。患者やご家族、あるいは連携する医師同士の評価が、信頼関係を支える一番の基盤だと感じています。
医療分野では“信頼度”がサービス拡大のカギ
‐‐医療現場における評判の役割は大きいのですね。ドクターズ株式会社を創業してからは、どのようにして口コミや評判を捉えてきましたか。
柳川氏:
ドクターズが提供している遠隔医療やデジタルヘルスサービスは、医療機関や医師の先生方の協力があってこそ成立するものです。医師の先生方と連携し、本質的なヘルスケアサービスを生み出していくことで、より良い評価を頂けると考えています。
口コミの根底にあるのは「このサービスなら大切な患者さんにも使ってもらいたい」という医療現場のリアルな体感です。これを得るためには、医師や医療従事者の皆様、そして患者の皆様の声に丁寧に耳を傾け、必要であれば迅速に対応し改善する姿勢が不可欠だと思います。
ポジティブな声もネガティブな声も宝の山
‐‐口コミはポジティブなものだけでなく、ネガティブな評判もあるかと思います。そうした声はどのように扱っていますか。
柳川氏:
正直なところ、誰でもネガティブな声は耳が痛いですし、避けたいと感じることもあると思います。しかしながら、患者や医療スタッフの皆様が違和感を抱くシステムやサービスを放置することは、医療の質の低下につながってしまうと考えています。
だからこそ、当社では「ネガティブな声こそ、改善のきっかけになる」としっかりと受け止め、必ずその取り組みに反映させています。具体的には、ユーザーから集まるフィードバックや医師の先生方から寄せられる意見をチームで共有し、できる部分はすぐに修正や機能追加を行います。
ネガティブな声への対応が丁寧だと、結果的に「ここは不満をきちんと聞いてくれる会社なんだ」という良い評判に変わることも多々あります。
“評価”をサービス品質に転換する仕組みづくり
‐‐評判や口コミを社内に取り込むために、具体的にどのような仕組みを作っていますか。
柳川氏:
当社では複数のプロジェクトチームが動いていますが、プロダクト開発や導入支援のチームは、適宜ユーザーや医療機関からのフィードバックを集約し、必要な対応策を検討する場を常に設けています。
さらに、リリース前のテスト段階から医療機関や外部の専門家に参加してもらい、利用者の生の声をヒアリングする仕組みも取り入れています。こうすることで、リリース後に思わぬ不備や批判が噴出するリスクを減らせますし、最初から「これは現場で本当に必要とされている」という確信を持ってサービスを世に出せるんです。
結果的にそのプロセス自体が「ドクターズのサービスは丁寧に作り込まれている」という信頼に直結し、評判も高まっていくという好循環が生まれています。
口コミ・評判への向き合い方が、経営の舵取りを支える
‐‐医療業界を始め、他の業界でも口コミや評判との向き合い方に悩む経営者は多いと思います。柳川さんはどうアドバイスしますか。
柳川氏:
特に今の時代、SNSやオンラインコミュニティで一瞬にして評判が広がります。ユーザーの声を軽視していると、いつの間にかブランドイメージが悪化し、取り返しのつかないことになるかもしれません。逆に言えば、ポジティブな評判が広まるスピードも速いので、「顧客満足度の最大化」を心がければ、ビジネスチャンスはどんどん広がります。
医療分野は命を扱うため特に慎重ですが、結局のところ「受け手を想像し、コミュニケーションを続ける姿勢」が大切なのは、どの業界も同じです。ネガティブな声を含め、ユーザーやステークホルダーの声を真摯に受け取り、すぐに具体的な対応策を講じること。
経営トップがこの姿勢を示すことで、チーム全体に“ユーザーファースト”の文化が醸成され、評判をポジティブに変えられる可能性が格段に上がるはずです。
取材後記
今回のインタビューを通じて、医療の現場で活躍する柳川氏だからこそ「口コミや評判」がどれだけ大きな影響力を持つかを再認識させられました。
「良い口コミはサービスを広げ、ネガティブな評価はむしろ改善の糸口となる」と捉える同氏の姿勢は、医療企業にとどまらず、あらゆる業界の経営者が参考にできるでしょう。
ユーザーやステークホルダーからの声を誠実に拾い上げ、スピーディーかつ具体的な対応でサービス品質の向上につなげる姿勢。そして、その一連の取り組みを発信することで、さらに信頼や評判が高まっていきます。
経営トップが口コミや評判とどう向き合うかが、企業の成長に直結していくのではないでしょうか。